2013年11月11日月曜日

隙間なく積まれ
その藁を燃やせ
皆目見当もつかぬ場所で
生きていた蟲に今日出逢う

パッパッパ
手を洗う
夢に見ても
焼香
うっすらもせぬ
薄情な指先

寝て起きる部屋は薄ら寒い
ずっと帽子を被っていれば
許されるの 雨の日曜
肩先から脚 袋のわたし
立っている事を思い、座る
カビまみれシンク白の裏側
気付いたのは、今日

パッパッパ
さりげなく
五年間なぞ
80円
飲んだカルピス
履けて色も無くなって

正しく陽気な晴れの日曜
洗わないから、増えないで記憶
赤いジャケット
旅した札幌
どこでも買えるCDを
探し
買って
帰ったよ
不機嫌そうな歌、また聴いて
身体を包め震え低温
直角 その救いの煙
また逢える音 涼しい音
歩く道の話ばかり
あなた消えても
あなた消えても
再生 停止 赤いCD

パッパッパ

2013年11月5日火曜日

雪国に産まれた事があったら
この銀色も懐かしい
ゆらめく火炎といる時間
そんな記憶をつまんで少し
灰に変わってしまえ言葉よ
血色の悪いひとの耳朶
南へ向かう電車の窓

雪国に産まれた事があったら
寒い夜、それは旅の記憶ではなく
少しだけ息を吐いてみて
白い、あなたの、言葉が好きさ
血の赤を少し頬に見つけて
たまにしよう 生きている話
灰に変わってしまえ言葉よ
時間が許した過去を箒で
岩と話ができないものか
勇敢な真似と腫れているリンパ
俺が欲しいのは、ただ角度
何度も過る
頼りの言葉
欠けた最高のオルゴール
新しい角度 教えておくれ
風と場所 橋と川
ずっとまだある岩に染みてて

白い息
あの時のまた
岩と話ができないものか
そんな場合に