2012年12月21日金曜日











夜の名前は君
飽きたらすぐに
捨ててもいいゴム製の夜
夜の名前は君
呼んだらすぐに
現れて

目が合えばすぐ
離したくなる
わかばの煙ばっかりの
こんな息でも集めれば

は 今だけ
眠くなるだけの悪があるなら
それは全て 俺のわるさ

敷いて寝たから もういない
愛の夜 肉布団の朝

2012年12月4日火曜日









いつも誰かの顔を浮かべて
笑ってくれたら それで十分
いつも誰かの顔を浮かべて
褒めて欲しくて 歌っていたね

本を開くその前に、しおりを探してしまう様
何処かルーティーン
こゝろの中すら
夢中になれずに入り込んだ
霧の中、その中へ

深い深い霧の中
一体何が、純粋なの
深い深い霧の中
一体何が、音楽

2012年11月12日月曜日










麻の記憶
煙の友達
吸って 吐いて
形がわからなく なる

歌の声しか 
しない 部屋
耳元で
俺を回す声が

見なければこんなに広い
見なければいつも居る

でも目をあければ
煙、がある だけ

ああ 乗って
くる

2012年11月5日月曜日













あんなに嫌だった 
あの時間の歌を 
借りてまで聴こうとしている
窓から唾を吐く 砂利まで落ちるその時間

懐かしくなるその前の 懐かしい音に包まれて
何の空も憶えちゃないから

居たいな、もう一度だけ

あんなに嫌だった
あの時間の絵を 
買ってまで見ようとしている
満面のその気持ちじゃ無く 暇を塗っていたその時間

振り返らずには会えなくなった 奴らがずっと其処にいて
溜まったまま 偉ぶったまま
俺はいつまでも追ってしまう 

何の空も憶えちゃないから
居たいな、もう一度だけ

2012年10月29日月曜日

霧よ煙よ

開け放った窓に
風が聴こえず
いつも鳴いていた
犬、子、鷺、峰
ただ石が此処にある事の様に
さりげなくみんな居なくなって
立ちこめた煙は
ひょっとして、霧?

標高二百の部屋の中
さて、来春
何を飼おう?
巡らすだけの日
霧よ煙よ
あア耳よ
もっと さりげなく
やや  ぎこちなく
音を聴かせて欲しいのだ
気付いたら あら? 湿って
そんな風に 触って

揺らしてくれてありがとう、勝手に
点が点に見えなくなって
立ちこめた煙は、
ひょっとして霧?

あや、もったいない
ジュッと吸い込む

2012年10月26日金曜日

水(改訂版)

水を一杯
いかかでしょう
無色透明 無味無臭の
それ
ややこしい俺の
便、し尿、焦燥、嫉妬、猜疑心。
虚栄、慢心、諦念、臭夢。
それらをくるり 布で包んで
ぎゅっ ぎゅっ
絞って濾して出した水
無色透明、無味無臭

例えば、詩
それはまるで水の様
濾過された感情が
例えば、詩
それはまるで水の様
恰も美しいかの様に

水を一杯
いかがでしょう

2012年9月10日月曜日

涙のLSD

気味の悪い夜も昼間も
名前を呼べば居る彼女
さよならした日を覚えちゃいない
会ってもいないお前の髪の
好い匂いだけ、憶えているよ
それは豆のエキスを塗った
まるで其処に誰もいない
(程に)柔らか 柔らかで

添い寝をしていて
夢の中でも

ずっと深い 深いところで
新しい場所を作ろうぜ
約束を決める約束を
全部二人で決めようぜ

今度こそ

目覚めるとそこは川
鯉の背中をぼんやり見てた


魚屋(うおや)の女将

お前は魚屋の女将で
泊まりの宿もやっている
包丁を持った時代の長さ
戦慄させるに十分足りる
寂寞
尖っている訳でもないのに
それは危険な赤を呼ぶ鏡
刻まれた傷をなぞって
たまにはチロっとまな板を
あっ、とか、うっ、とか
言わせてみたい

それは習慣

別の要素で膨らんだ
ことのある腹をサスリながら
喰う煮タコ のにゅふぉうにゅ

暮れ曙 今年も冷たいばかりの魚
ハラワタ、ハラワタ
ツカレタ、ツカレタ

まな板の上を通り過ぎた
沢山のウオ、魚達
あんなに落ちてた鱗が今や
一枚も無い
魚屋の女将

呼べば来るよの夜がまた

果たせない夜に四千円
ヤクザ映画を見る代わり
呼べば来るよの夜がまた

握りしめる力も緩い
買ってこいや、持ってこいや
でも
なんだかんだで寝てしまう
何よりも眠いんだ、
すまんね
俺、もう

サボテンなんて
買うのは止して
ただ、石だけを買いに行こう
水槽に入れて捨て置いて
ほらほら苔が生えてきて
得したね!とかなんてなぁ
それでおしまい
ちょっと笑ってそれでおしまい

換算すれば何になる
なんて、考える内に一時間
果たせない夜に四千円
ヤクザ映画を、見る代わり


夕暮れディスコ(その哀愁を遊べ!)

踊らない空を止さないか
そこはもう、ディスコ
ただの夕暮れはもはや
無い
ほこりまみれの道に本棚
拝啓、すっかりご無沙汰の
「見たこともない君」
という暫定
女の髪
塗りたくられた 豆、その匂い

手に手を取らなくたっていい
ただ、眺めてる鯉の背中
でも、踊れる気持ちだろう?
わかってる その哀愁は
目を細める為だけのものじゃない

夕暮れの今遊ばせる
感情弾むよカラーボール
何色だって弾ませろ
精神なんて たかだが色よ

切ない心を遊ばせて
悲しい気持ちを遊ばせて
夕暮れディスコ
哀愁を遊べ

2012年8月29日水曜日

無免許

むず痒いはずの世界が、
ほんの一瞬乾いて見える
不安に胸を踊らせる
ワルツ、処女、パーキング
想像して、書く
ドライブの詩を
俺は無免許 免れる何者も持たない

背中合わせに女と眠る
こんなにも重い
シーツはゴムか
どこが隅なのかわからないくらい
部屋は上下に伸び続けている
「一体、私はどこを掃除すればいいっていうの?」

「ね、よ、ほら」
尋ね始める声も持たない
免れる何者も
そして誰をも

空いてるドアはいつも開いてる
はやく、おいでよ

失礼しますよ
って

2012年8月11日土曜日

青春の準説

「言えなかった」
が美しいのは制服を脱ぐまで。
永遠の処女達が映っているフィルムを
そうして、また箱に仕舞うのだ
おもむろに取り出して、
一時間
とそして
三十分

ただいま。も  おかえり。も
いらない世界の話と聞いて
ただ、おはよう。と髪型とベルトだけ
気にしてればいいよ、君たちは 

いつもと同じ
会話だけれど
匂いも知らない
会話だけれど

「言えなかった」
が美しいのは制服を終えるまで。

随分とまた、年を取ったご様子
プール、鉄柵、非常ベル。
階段のゴム、トイレのタイル。
そして、使われない教室はまた今日も溜めるだけ
ただホコリだけをまた ぞろ ぞろ ぞろ

懐かしい君のふくらはぎを見ていた
週に一度の掃除で知ってる
その ぞろ 



2012年7月29日日曜日

背中

土曜日がまるで平日の様に
だれも踊らない街に
動物は、住めない
猫目まなこ 遠回りして君は
そして、会いにきた
「よく、見えなくて」
いつもと同じ 細い目を
髪、そろえたんだ
いいえ、大体よ
風邪、引いた?
化粧が面倒で
なんてなぁ
背中でもいいよ
くれ

2012年7月21日土曜日

水(即興詩)

水を一杯いかがでしょう
無色透明、無味無臭なそれ
ややこしい俺の
便、し尿、焦燥、嫉妬、猜疑心、
虚栄、慢心、諦念、臭夢、
それらを布で包んで
ぎゅっ ぎゅっ
絞ってこして出した水
無色透明、無味無臭のそれ

例えば、詩。
それはまるで、水の様に
濾過された感情を
例えば、詩。
それはまるで、水の様に
恰も美しいかの様に

水を一杯いかがでしょう

2012年7月7日土曜日

鮭のいた部屋

鮭のいた部屋で
ひっくり返ってた ふたり

電球なんていらないじゃない
だってこんなに眩しくて
凶暴な棘の様な光
だけど、刺してもくれないの
ほらほらこんなもんだよ
あんたの部屋なんてほらほら
ほらほらこんなもんだよ
あんたの骨も耳も目尻も
なんて嫌なことばかり言うから
まるで興ざめしてしまう
だから、早く消して
泳いで揉んで産んでかけて、そのまま逝って

壁に背中をぴったりつけて
大きく口を開いてた二人
鮭のいた部屋で
ひっくり返ってた ふたり

2012年6月29日金曜日

石拾い

石拾いになぞいかない
流れない川をずっと見ていた
何も持っては帰れない
旅を嫌いな理由はそれだ
恐いのは 失くすこと
忘れてしまうこと
だから何も拾えない

石拾いになぞいかない
俺は指なんて信じない
蚊の噛んだ 後を掻くのも
結局は爪のことだから
冷たくて固いもの
雨、耳、女、爪
半透明の固いもの
感覚のないその物体
恐ろしい物体
まるで小石の様に
指先に俺はそれを持って

石拾いになぞいかない
何も拾えやしないのだから
ただ、ずっと爪を見ている

2012年6月26日火曜日

猿の指

拙い俺の猿の指で
リュックサックを開けて閉め
ひもじさや 切なさや
やるせなさや 情けなさ
蜜柑をちゅうりり吸うている
ババアによく似た指をして
さりげなく野菜、食ってみたり
しょもしょもと口を動かせて
背中の丸さにおびえたり

拙い俺の猿の指で
痒くなる本 開いて閉じて
何を詰めて 何を嗅ぐの?
純粋動機の 奴らが見ている
人まね小猿 滑稽。滑稽。

拙い俺の猿の指で
歌やギターをあれやこれ
黄色くなった紙で一杯
しまえないから 出したまま
もらってくれよ 
タダでも駄目か

拙い猿の俺の指

2012年6月16日土曜日

お前の歌

知らぬ日本語
狂わせないで
弄するお前の好きな言葉は
夜明けと傷と、青い朝
袋に詰める
米、肉、カカオ、塩、バッテラ
ポテトチプスに指を練らして
のちのち帰る いつもの柱
算盤教室 カフェ 古書チェーン
理髪店の前にある、小池に泳ぐ金魚の尾びれ

茶色い暮らしを
こぼした様な
五線譜を歌と呼びながら
拭う口元
撫で付ける髭
くわえて鳴らすハーモニカ

羊皮紙大の暮らしの歌
お前の歌の最初の文句
「夜勤明け」



2012年6月7日木曜日

赤(滝沢亘に捧ぐ)

タライの中の世界に放つ
赤!赤!赤! 
ああ、なんて美しい 
命の色
それを身に纏い 
生まれた俺の
皮肉なワルツは
千代紙に終わる。  

雨が降ったか?
それで、濡れたか?  
まるで
取られた脂の様に
紙に広がる 
俺の老廃。
そして 
責められてまた責められて 
この世は責任ばかりだな 
生まれたことの代償に 
何度も 赤の利息を払う。
そしてまた
或る物、となる前の
生まれの儀式 
赤い儀式
注射器針に
溢れてそよぐ 
三千万の平熱の子ら

さぁ!俺を殺すか? 
穴を空けろ!早く、今!
そこに陰茎を流し込め
そして、生まれる
新しい赤
我関せずの 
まばたきに
流れる涙は羊水の 
心の海の味がした

2012年6月2日土曜日

くらげ(溢れていた日曜日)


なんだ日曜日か って 
気持ちよくまた寝てしまう
なんだ日曜日か って 
何回だって沈んでいける
隣りのおっさん 切れの悪いタンが絡む 品の無い咳も
どっかの鎖と 糞をそこらに 犬が鳴いてる喧しい声も
悪くはなくて むしろ眠れて
そんな日々があった気が
くらげみたいに半透明で
どこかすっとした毎日が 

溢れていた日曜日の大いなる気楽さ
俺はただ浮かんでいたのか お前の言う 飄々としたままで

なんだ日曜日か って 
気持ちよくまた寝てしまう
なんだ日曜日か って 
何をしようか。の無敵感
そんな日々があった気が
くらげみたいに半透明で
どこかすっとした毎日が 

溢れていた日曜日の大いなる気楽さ
俺はただ浮かんでいたのか お前の言う 飄々としたままで

「帰りたい」なんて歌ったら 
また やれやれを見なければ
それでも 唯唯 思ってしまう
あの日の空で浮かんでいたい
回る煙で曇る前 
布団の窓から見えていた
暖かいだけの空の中で

2012年5月31日木曜日

舌と歯

いつまでも俺と二人
舌と歯の様な関係でいよう
白濁は半裸にもやる
でも、お前だけには
やるのさ。アミラーゼ
梱包して空気を抜いて
目は? 開けたまま!

夜じゃなくても構わない
もっともっと 暗い場所を
俺はよく知っている

いつまでも俺と二人
舌と歯の様な関係でいよう
生温く粘るその場所で
いつまでも俺と二人
舌と歯の様な関係でいよう

結んで終わる 熱だって
舌でひらいて
ほら、もう一度

2012年5月26日土曜日

ひねり出す糞の臭いは牛
たかだか二十二年の
鼻輪を外してみたところで
胃の腑の底まで染み付いた
眠気眼のその臭い

くせえやつ
たかが草喰いの
何をか吠えているんだよ
野太い声はかすれない
ブルースマン
サイケデリック
だが、牛じゃダメだ
白黒なもんで何しろ

人形

人形の反乱は
ただ、主従を入れ替えるだけ
どちらにせよ、温度は無いのだ
どちらか一方には

「無駄だよ
どんなに抱きしめたって
何の圧力も返りはしない
比例も、反比例も、
無い。」

2012年5月6日日曜日

サーカス

誰もいないこの空に
友達の種、蒔いてくれ
もしも、私が光なら
ごめんなさい。
 誰も咲けな かったね
パーティの床は いつも
優しい優しい板張りだ
入れない 窓から聞くだけの私
これまではそうだった 
だけど

私の人生を ただ、
指差し笑って楽しんで
私のみじめさを笑いに変えられる場所
それがサーカス!

誰もいないこの海に
気兼ねない朝を拡げてよ
もしも、私が夜ならば
ごめんなさい。誰も晴れない

だけど、この場所で
華やかに、そう艶やかに
ここには照明が
だけど、この場所は
華やかで、そう艶やかに
照らしてくれるよ

サーカス
私の人生を指差し笑って楽しんでね
なんてなぁ 終わってしまえば
檻の中。 そして、辺り一面の藁 だけ

だけど、「かなしい」は思い出の中だけ
そんな贅沢、過去の中だけ

2012年4月25日水曜日

22歳の爆弾

22歳の爆弾よ
同じ春に落とされて
それから一体幾度の
破裂の機会を見逃した
22歳の爆弾よ
後、何回の春を見る
済んでしまったのか もう
ただ、抜けていく
蓋も無いので、気も泡も

「さっさとしないと本当に、戦争なんて終わってしまうよ」

あ!そうか。
もしや、もしやあの時の
革の財布を傍らに
三階に停まるエレベーター
きっとあそこで散らすべき
だったのかもと思うのは
綺麗に拭かれてしまった後の
薄曇るガラスケースの中で
目掛ける尻も嘗てはあった

おい!お前、爆弾め!
火薬の癖に破裂もしない
誰彼の臓をまき散らす
為に生まれた丸薬。
おい!お前、爆弾め!
溜める意味など無い癖に
出せずに惜しんで22年

2012年4月21日土曜日

通不夜

葬式の看板と 同じ名前の女がいる
「今後ともよろしく」
永遠に近い、六十年
ただの一度も交わる事も無いならば
何の為に俺は男に
お前は子宮を ああ
その中で その中で
暮らしたい程に 溢れてしまう
そうか、「餌付け」その行為は
一種の契約
敷金礼金その他の書類を、集めて
俺は審査に落ちた

お前の耳を愛しみたい
口に含んでふざけていたい
いつも隠れている
形が俺にはわからない
同じ様に ぴこりとつまめる
真っ黒い耳たぶの
その形も尚、知る由も無い

「さようなら」「今後ともよろしく」


2012年4月6日金曜日

春(Eの裏切り)

春を明けて、精液を飲んだお前に
おちょこについだ 酒を一杯勧めている
その上に浮いた花びら
指でつまんで捨てている
これからお前が繰り返す
夜をただ、目の端で見ていた。 

春を明けて、精液を飲んだお前に
嗅いでまとわる、犬をあげよう
せめて頭をなでておやり
どうせぼろきれだ
床も拭けない、
ぼろっかす。

何故に俺は人形なのか
体温のない布なのか
剥ぎ取って、さっさとそれを剥ぎ取って
お前は行ってしまう
六十年もあるんだよ
あと、何度
あと、何度
あああ、

 女「わたしの舵をとらないで 
 あなたに渡した船じゃない」
男「愛なんかじゃ、まるで無かったぜ
ただ、どうして俺じゃってさ」

2012年4月3日火曜日

脆くも崩れ去った壁は
こんなにも 柔らかだったのか
いつまでも 幼いままで
小さくいたいと思っていたのだ。

だが、成長は待たない
削られた土砂の崩れる速さで
少しずつ 
ぱらぱら、、ぱらぱら、、と
その時は終わりを告げる。

「もう、どうなったって構わない。」
だが、先細った口で一体何が言えよう。
否応無しに蝶になり、
忘れる為に飛び回る
せめて、甘い蜜だけは
懐かしいあの味だけは、

なんて惨めな虫なのか
お前の粉に塗れた眼鏡を
俺はいつまでも、拭いている。

2012年3月14日水曜日

淡水魚

泳がせてくれないか 私のこと
海の中で
沈ませてくれないか 私のこと
海の中へ

掬い上げる網も無く 
ああ、咲いて 揺れてる花もない
違う世界か? いいえ 同じ水
なのになぜ? 真っ黒い水面
川と違って

淡水魚は踊る 吊るされた様に踊る
さながらワルツに見えるのか
拍手をどうもありがとう
拍手をどうもありがとう

逆らった訳じゃなく ただ流された

淡水魚は浮かぶ 吸えない空気の水に
さながらワルツに見えるのか
拍手をどうもありがとう
拍手をどうもありがとう

泳がせてやれないか あいつのこと
海の中で
逆らった訳じゃなく ただ流された 
淡水魚

2012年3月2日金曜日

瞳でさえも

窓向こうから見つめる君
ただ、一塊の宝石を持て
その塊にさえ 勝てない ひと

2012年2月23日木曜日

瞬間、光の夜


瞬間、光の夜が、まだあるとするなら
あの電車にまた乗れるのか
瞬間、光の夜が、まだあるとするなら
見えなくなる程 眩しい音が

愛しているよ お前のギター 
むちゃくちゃで あざとい それを
ああ、愛しているから さ 
まいったね 
ハウってやがる 中でまだ 

瞬間、光の夜が まだあるとするなら
感動する準備のない朝と
瞬間、光の夜が まだあるとするなら
蛍光灯に成り下がった俺を 

ああ
一瞬だけ 一瞬だけの
何の根拠もない 光に 
もう一度 ならせて
もう一度 光に ああ

東京バラード


外も中も雑踏
ただ座って立つのが人生なら
俺はしっかり生きているぞ

「雪になりましたね」
「朝になりました」

打ち上げられてアザラシは 
夢物語の地で死んだ

荒涼として俺は
同じ様に東京にいる

そして雨を愛し、空を憎む
そんな日もあった

「雪になりましたね」
「窓を今、閉めました」

推測なんてしないでくれ
いつでもかければ其処にいる
電子で一人になれない分子
そこに宇宙があるものか
どこにも行けない雑踏の中で一人
鳴らない画面をスライド

東京バラード
懐かしい俺のバラード

2012年1月25日水曜日

夢にまで見た日々

夢にまで見た日々だったろ
だったらどうして そんな顔してる
夢にまで見た今日だったろ
だったらどうして のたうち回ってない

夢にまで見た場所だったろ
だったらどうして 振り返る日々が
夢にまで見た葛藤だったろ
だったらどうして 「違う」なんて

懐かしい映画を見て 終わりかけの夏に気が付いて
戻れないはずさ もう、なんて 
飛ばす自転車 バイパス いつも
自分と他人と時代と昔
一体何がブレーキなのか 
夢にまで見た日々の真ん中 
身につまされる 夏だった

見上げた空は 青 ばかり

グリーンオンレッド

真っ赤な照明に照らされて
また会おうなんて言えてしまったから
思い出が またひとつ 増えてしまった
優しく切ない 足かせが 増えるばかり
緑の照明に遮られて 汚れた隅でのたうち回っていた
これからが 何から何まで薄暗くて
光はずっと照らしていたのに 目眩がしてさ

拭いても拭いても取れない曇りは 一体何の煙だったろうか?
河原に座って
一体何を思い出そうか 後悔ばかりのあの日々を
懐かしむか
それでは何が正解なんだ のたうち回ったあの日々が
芸術なのか?
手を振って 声を出して ひねくれたままの
そのままで 生きてた日々が

終わる時に笑えてしまった 
何も無いのに笑えてしまった 
忘れないさ と言えた義理か 
壊してしまった 太陽より暗く

河原で見た景色は何だ あの日の照明に重なって
よく見えない 
膝を抱え聞いてた声が 
「きっと来るよ」
と歌っていたよ
「もう少し」 と

終わる時に笑えてしまった 
何も無いのに笑えてしまった 
忘れないさ と言えた義理か
壊してしまった 太陽より暗く

2012年1月24日火曜日

排水溝は滑っている

お前が汚した風呂を磨く 
お前と知らない誰かの汗と髪の毛
お前が汚した風呂を磨く 
お前と知らない誰かの垢を落とす
青い体に霧を吹きかけた様に 
抱える体を お前は見えない場所より
見える場所の方が多いのが 裏付けているぜ 
たまらない 真実を

お前が汚した風呂を磨く 
お前と知らない誰かの あの笑顔と猫
お前が汚した風呂を磨く 
お前と知らない誰かの時間が溶けた
風呂磨き、、

何回 焼き付けさしたのだろう
ただ 光に変えていければ
もういいから、
見えなくなれば 思わないから
転げ回ることも 無くなる

あとあとあ(たった三文字の青春を)

懐かしいことがあった様な 
あ 君を見てると そう間違える
窓から差した光みたいな 
匂いに部屋が狭くなる

まるで(あの)布団が 無かった様な
あ 君を見てると そう間違える
血を流した女が潜り込んだ
あのカマクラに 入れなかったことも

あああ あああ あああ で語れる青春を
あああ あああ あああ で語れる青春を

いつか ゴム臭い指でチャンネルを変える
君のベッドの下に落ちた ブラの色
その色がわかるのが 君の素晴らしさ