2018年10月24日水曜日

最近調子はどうなのそっちは
風物詩になる僕らの会話
年に一度はこうして逢おうね
なんて言わなくたって
当たり前みたいに

そういえばの日々が
輝いていた訳じゃない
照らされていたことに
気付かなかっただけ

あの日と今で変わったこと
未来が少しすり減って
笑顔の意味が重たくなった
あの日と今も変わらないのは

戻りたい日々や場所が
どこかにある訳じゃない
毎日は出逢えない
僕らになっただけ

あの日と今で変わったこと
風は凪いで街は消える
田舎の夜は暗すぎるから
話をしよう、今夜もう少し

「おごらせて今日もごめん
沢山持って帰ってくるよ」
「楽しみにしてるその時は
飲みに行くよお前とまた」




2018年10月17日水曜日

いつもの朝

見知らぬ天井で目を覚ます
なんてことない
いつもの部屋

知らない間に降った雨
知らない間に行った人

寝起きのタバコが昨日を繋ぐ
なんてことない
いつもの日々

夢のシーンはなぜ悲しい
あの日とおんなじ顔、顔

葬式で聴いたメロディーは
好きで聴いてたあのピアノ
部屋のどこかに多分ある
ほこりをかぶったアルバムの

見知らぬ天井で目を覚ます
なんてことない
いつもの朝



2018年8月17日金曜日

12月

今年の冬は寒い
それは毎年思うこと
ほんの些細な違いがあるなら
息を吹きかけた両手の行き場が
ポケット以外に増えたこと

今年の冬は寒い
つま先立ちの毎日は
多分この先も続くでしょう
人形みたいと言われたことも
いらない人と呼ばれたことも
溶けない氷のままで在る

ずっと最後の季節みたいに
生きてきたんだ
風邪を引いているのかも
今年はすこし熱がある

どこがいいの?
ってたまに聞くよね
なにもないよ
ってたまに言うよね
どうでもいいよ別にそんな
最初から期待しちゃいない

こっちだってと言う代わり
しゃがんで少しキスをした

ずっと最後の季節みたいに
生きてきたんだ
少し弱っているのかも
来年もって思ってしまう

今年の冬は寒い
それは毎年思うこと
ほんの些細な違いがあるなら
ほんの些細な違いがあるなら




2018年5月4日金曜日

LOVE IS OVER IS OVER

春になってもくるまってた
毛布にこぼした缶コーヒー
そろそろしまわないとだね
また夏がくる

LOVE IS OVER 
IS OVER
形を変えて続くのです
夢も日々も多分、愛も

背中に差し込みあった指
何度だって濡れてもいい
だっていい天気だよ
また夏がくる




2018年2月8日木曜日

pages

詩はもうノートに書かなくなった
寝起きのスクリーンがまぶしい
夢で聞いた歌をはやく
うつさないと

吸い殻と空いた缶コーヒー
あと何度ゴミに出したら

詩はもうノートに書かなくなった
正確な時間だけを知ってる
いつかも今も溶けてゆく
あの感覚はもう

両手はあるのに言葉がない
たった一つの言葉がない
なんでも出来るよ祈ること
首を絞めてしまうことも

詩はもうノートに書かなくなった
真っ白なスクリーンがまぶしい
まだ残ってるだろうか
私の中に、光



2018年1月26日金曜日

歪な円盤

うっすら笑って彼女は消える
これであなたも一人ぼっちね
地下街の喫茶店
BGMが消えていく
拒絶の演出は無音

手をつけられないパンケーキ
蜜を吸った、歪な円盤

この星でたった一人
違う星から来たみたい
プロペラが見下ろしている
誰も迎えにもう来ない

ナイフは彼女が持って帰った
信用ならない宇宙人
地下街の喫茶店
たくさんの顔があって
分かり合えないただの俺

この星でたった一人
勝手に生きていけばいい
フェイドインする全てが他人
どこにも帰る星がない

手をつけられないパンケーキ
蜜を吸った、歪な円盤 

連れ去ってくれたらいいのに



2018年1月13日土曜日

ラブソング

たいして何も
言わないふたり
意味は君だけにある
いらない人間
だったからね

未来はもう
無いかも知れない
そんな風に思いながら
夕暮れまで手を離さない

たいして何も
言わないふたり
日々は君だけにある
終わった人間
だったからね

明日にはもう
違うかも知れない
そんな風に思いながら
夜明けまで手を離さない