影に、なってしまいたい
黒でない 透明でない
染みでない 夢でない
歩く街は金切り声
互い違いの靴下の人
どうか 見えずに過ぎて下さい
私は、煙なのでしょうか
咳き込む人、吸わない人
聞かないで、生きているかと
私にはもう、過去しか無い
両手を広げて羽ばたく真似
一畳程の世界でさえ
染め上げる色も持たないし
血の通る道はもういらない
真っ白い空に漂わせて
こんなにまでして動く筋肉
顔の筋肉 微笑む形
笑わないで
見つめないで
喉が震えている音に
立ち上がる人はない
いつか狼の不安に憧れ
いつ気付けるの
そして、誰に尋ねるの
聞かないで、生きているかと
私にはもう、過去しか無い
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