黙っていられる僕らは大人
「皆の前でうずくまれるヤツ程
強い人間はいないのよ」
爪を噛みながらあなたは言って
血の滲む指も好きになる
弱い人間? あなたは
これは愛の歌だ
伝えることってそんなに必要?
黙っていられる僕らは大人
いろんな音をふたりで聴こう
少し曲がった君の背中が
少し曲がった君の心が
こんなにも愛しく思うのは
なんて言うとまた勘違いされて
でもそんな風にからかい合って
これは愛の歌だ
変わってくってそんなに必要?
黙っていられる僕らは大人
鳴らさなくてもいい間合い
いろんな音をふたりで聴こう
2015年9月29日火曜日
2015年9月23日水曜日
2015年6月20日土曜日
2015年6月5日金曜日
2015年4月22日水曜日
ずっとひとりでいるつもり
自分を減らそうと
ふった制汗剤が少し
マスクについて香ってきた
懐かしい川のそばを
歩いた時にもかいだ匂い
終えてから気付くのは
モノや時間だけじゃない
誰かの匂いがこうしてまた
抜けた場所を気付かせる
暗中模索に君がいた
二人で歩いた分と同じだけ
匂いがずっとついてくる
ずっとひとりでいるつもり
クエスチョンで言ってみて
一緒に生きれる人じゃなかった
歩いていける、人じゃなかった
ただ、それだけのこと
置かれたままの保湿クリーム
湯上がりに少し試してみる
寝起きの誰かの匂いがした
暗中模索に君がいた
二人で歩いた分と同じだけ
湿ったままで歩いている
匂いだけがついてくる
ずっとひとりでいるつもり
クエスチョンで言ってみて2015年4月14日火曜日
2015年2月27日金曜日
2015年1月31日土曜日
宝塚インター
数万年の約束のように
太陽を信じ切っている
「暮らし」を送れる人々は
ガスの元栓を戻したかたち
柔らかい目をしてこちらを見ている
宝塚の街が夜行バスの窓に映る
そうね、映画の様に映っている
まどろみの少し前
ふとした嘘を浮かべ ほほえむ
さようならも言えない二人
始まらなかった暮らしの話
あなたの住んだこの街の
他人でしかない光を見ている
夢の中では「僕」と呼ぶ
いまとは違う一人称の
それは懐かしい未来のわたし
到れもしない子供のくせに
大人のように遠い目をして
ねむりについて
はやく起きなよ
幾度か目を始めに帰る
眠らない街、
暮らせない街に帰りなさい
さようならも言えない二人
始まらなかった日々の記憶
あなたの住んだこの街が
ガスの元栓を戻したかたち
細めた目をしてこちらを見ている
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