2014年11月5日水曜日

わたしは天体

いつもバスの一番前の
小高い丘にあなたは座る
横顔は少し斜め上の
空をいつも見つめていた
遠い空の向こう側
ずっとそこにあなたはいたの
そこから光を届けていたの
乱反射するその姿に
いつまでも触れなかった訳は

こころがあるとするならば
あなたという名の惑星に
どうか言葉を届けたい
見果てぬ遠い空の果て
金星よりも美しいあなた

見えない夜もきっとそこに
あなたがいると思えたのは
こんなにも遠く離れていたから
虚像ばかりを見つめていたから

時間があるとするならば
あなたという名の惑星を
どうか行って抱きしめたい
星になったのはわたしの方
そうね、それは過去の天体
ずっと昔に終わったほむら

いつもバスの一番前の
小高い丘にあなたは座る
横顔ばかりを覚えている
見果てぬ遠い朝の空
金星よりも美しい光

きみの夢で目を覚ましたから


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